熊の生息圏に入る時の注意点
・熊の行動時間帯である、夕方から早朝にかけて入山しない。
・ゴミを捨てない。必ず持ち帰る。ゴミは熊を呼び寄せる。
・音を発し、人間の存在を熊に知らせる。
人を襲って、命を奪う。
熊の脅威は、すでに皆さん、ご存知かと思います。
実はしっかり対策をすれば、熊に遭遇することは非常に少ないです。
必要以上に熊に対して怯えることはありません。
”絶景” を求めて全国の自然を旅し、約7,000箇所もの観光スポットを訪問した私は、一度も遭遇したことがありません。
しっかりクマ対策アイテムを多用していたからです。
今回の記事では、
・熊への対策・対処グッズ
・熊の生態・生息域
・熊に遭遇した時の対処法
について、お伝えしていきます。
熊の種類って? 日本にはヒグマとツキノワグマの2種類
ヒグマの特徴(北海道にのみ生息)
・正式名称は、エゾヒグマ
・生息域:北海道の約半分(主に北部)。山地以外の野原にも出現の可能性。
・日本最大級
・最大 3m、体重 500キロ
・食べ物: 草や木の実などの植物。時にはシカやウサギなどの哺乳類や昆虫を食べる。
ツキノワグマの特徴(本州と四国に生息)
・生息域:本州と四国の山地
・最大 1.6m、体重 130キロ
・食べ物: 基本的にはヒグマと同じだが、ヒグマよりも植物食に依存している
熊の生息域は? → 九州以外に生息している
環境省の調査によると、北海道の約55%の地域はヒグマが、本州の約45%の地域にはツキノワグマが生息しています。
九州には熊がいません。四国に生息している熊は、剣山周辺のみ。
データだけで見てみると、日本の4割が熊の生活圏ということになります。
多いですよね。意外と どこにでもいます。
東京にだって、裏山に熊がいっぱい、という場所が存在します。
そう考えると、案外 身近な脅威に感じてきませんか?
熊の分布図の確認はこちら▼
熊に襲われたら、どのくらい危険なのか
・嚙む力は、200~400キロ(人間の7倍)
・全速力は、時速50キロ(100mを約7秒のスピード)
・パンチ力は、ビンタ一発で人の首が吹き飛ぶほど
襲われれば ひとたまりもないですね。
命が助かったとしても只では済まないのは、言うまでもありません。
いつの時期が活動的? 熊の年間スケジュール
食べ物が豊富な春から秋のシーズンなら比較的に安全と言えるでしょう。
ただし、クマにとっての食糧難の時期や、ちょうどクマの繁殖期に差し掛かる時期には、被害に遭う可能性が ぐっと高くなります。
熊の年間の行動パターンをしっかり把握しておきましょう。
12月~3月 冬眠・出産
4月~5月(冬眠あけ)
前年に落ちた木の実や芽吹き始めた植物類を食べる。
6月、7月、8月(繁殖期)
昆虫類も食べるようになる。
9月、10月、11月(冬眠準備・食いだめ)
栄養価の高い木の実をモリモリ食べる。
人が襲われやすいシーズンとは?最も危険な月は、冬眠準備の9月・10月・11月。冬眠明けの3月も要警戒。
9月~11月が冬眠準備期間となっており、熊にとっては死活問題。とにかく必死です。
この時期に食べ物が少ないと、山のふもとの里に下りてきたりヒトを襲ったりする確率が、ぐっと上がります。
加えて、冬眠明けの子連れの熊は警戒心が非常に強く、3月も襲う危険性が高いとの意見があります。
春のはじめと秋の前後の熊の生息域では、慎重に行動することがベスト。
熊から身を守る、出会わないための厳選商品4つ
オススメ商品を4つ紹介しますが、熊すずと熊よけホイッスルは、絶体必需品です。
理由は最後でも説明しますが、自分のため、熊のため、そして次に来る訪問者のためにも所持しておいて欲しいです。
金額も1,000円以下と低価格からあるので、安価なモノでも持っておきましょう。
あるか ないかで、遭遇率がガクっと下がりもします。
【超重要】熊すず(熊鈴)・熊よけベル
正直、熊すずがないと、私は不安で山を歩けません。
山に入る為の最重要・必須アイテムです。
熊にも音が判別しやすい・しにくいがあるようです。
熊鈴にも色んな種類の音があるので、違う種類で複数個所持することをおすすめします。
安価なものを2個所持するか、高価な幅広い音が鳴る1個を所持するか、という選択肢もあります。
【重要】熊よけホイッスル(クマ専用が心強い)
普通のホイッスルではなく、“クマ専用” であることが重要。
私は防犯用のホイッスルを間違って購入してしまい、耳を傷めたことがあります。
耳に優しく、高音で遠くの熊に知らせることができるアイテムが必要でしょう。
熊撃退スプレー(熊よけスプレー)
万が一、熊と遭遇した場合、必殺の仕事をやってのけるのが、熊撃退スプレー。
山の深い場所に行く場合や、長期間クマの生息域に出かける場合は、持っておくに越したことはないでしょう。
FM/AMラジオ(防災対策を兼ね備えたものがオススメ)
ポケットラジオでもスマホのラジオでも悪くはないですが、熊がいる山奥に行くのであれば、防災用のラジオがおすすめ。
受信力に優れ、長時間使用でき、懐中電灯としても使えると なお良いでしょう。
緊急時のお助けグッズにも早変わり。
登山やキャンプをする場合は、必須アイテムです。
万が一、熊に遭遇した時の対処法
20~50mの至近距離に熊がいる場合の対処法
・目を合わせないよう背を向けず、ゆっくりと後退する
・熊撃退スプレーを所持している場合は、後退後、準備する
・安全圏まで後退したら立ち去る。決して遭遇した場所に戻らない
出会いがしらの遭遇で、20m以内に熊がいる場合の対処法
・静かに、落ち着いて両手を大きく振りながら後退する
・熊を見て、穏やかに声をかける
・敵意を示すようなら、熊撃退スプレーを全量噴射させる
熊に襲われてしまった場合
・首を両手をで覆い、身体を丸めて地面にうつ伏せになる
・襲うのをやめたら、直ぐに立ち去る
絶体にやってはいけない、逆効果の行動・NG行動
・死んだふりでやり過ごそうとする
・大声を出す
・全力疾走で逃げる
・石投げをする
本当に危険? あまり知られていない熊の生体
散々、熊への注意喚起を書き連ねてきましたが、熊は基本的に臆病な動物。
ヒトを襲うことは稀です。
とは言え、襲われる確率はゼロとは言いません。
極限の空腹状態の熊や、子連れの熊なら防衛本能で襲うことがあるようです。
例年、熊の被害でニュースを賑わせていますよね。
熊は臆病な生き物。ヒトがいることを知らせてあげれば回避できる。
ヒトがいることを知らせる音や臭いがあれば、熊の方から立ち去ってくれます。
音を出したり、視界に熊がいないか注意すれば、よっぽどのことがない限り、熊との遭遇は回避できます。
熊すずの装着はもちろんですが、熊よけホイッスルを頻繁に鳴らすことは、自分の身を守るだけではなく、次に訪問する方の安全対策でもあります。
次の訪問者から熊を引き離す思い遣り行動です。
熊すず、熊よけホイッスルを活用することは、最低限の森のマナーと言えるでしょう。
そういった意味でも、熊すずと熊よけホイッスルだけは、絶体に所持しておいて欲しいです。
登山やキャンプ、滝巡りなどに出かける前に、まずは熊対策グッズをしっかり揃えて、思いっきり自然を満喫してましょう!